先発品との違い

価格

医薬品の有効主成分には通常特許が存在していますのである医薬品メーカー(研究所)が新しい成分の医薬品を研究・開発した場合、他の医薬品メーカーは同成分の医薬品を製造販売することが認められません。先発品には開発費や宣伝広告費を回収する意味でも一定の期間(約20年~25年)独占的に開発した医薬品を販売することができるのです。
しかしその後 (特許期間終了後) から他社も同様の有効主成分で構成された医薬品を製造販売することができます。これをジェネリック医薬品(後発医薬品)と呼びます。先発品には特許料回収の為販売価格が高額に設定されておりますが開発費用・期間のかかっていないジェネリック医薬品は比較的安価に製造販売することが可能となっています。製品価格は先発品の約40%~60%で販売することができ一般消費者は高額な医療費の一部(医薬品)を抑えることができます。安価な医薬品を提供できるジェネリック医薬品は先進国だけでは無く後進国のような医療制度が整っていない国(貧困層が十分な治療を受けられない状態)にも普及しつつあり、価値のある医薬品となっています。特に後進国ではがん治療・エイズ・ウイルス感染症など高額な治療を払えないがゆえに何も処置ができず命を失っているケースが非常に多いです。医薬品の服用によって助かる(または延命・緩和)ケースは多岐にわたり見受けられます。その為低価格のジェネリック医薬品は世界全体でその有効性が認められ日々活躍しているのです。

効能

ジェネリック医薬品と先発品は有効主成分が同じの為、使用方法や効果効能が同じであると言われていますが、実際は違いがあります。それは後発医薬品には先発医薬品に認められている効果効能の一部が認められていない場合があります。それは現行の特許制度において先発医薬品のすべての特許が切れていない場合、つまり一部の特許が存在し効果効能やや用法用量に後発医薬品が対応できないまた使用できない状態になってしまい医薬品の仕様(用法用量)が変わってしまいます。医薬品には有効主成分の他にも添加物・コーティング剤などの成分に対しても特許があり、ジェネリック医薬品は仕様を変更せざるを得なくなります。例えばある胃潰瘍の治療薬Aの先発品は治療成分の他に炎症抑制成分が含有量されているとします。治療成分は特許が切れており、炎症抑制成分には特許が認められている場合、Aのジェネリック医薬品には治療は認められているが抑制目的では使用・処方できないといった一見矛盾した現象がおきてしまいます。実際に服用した効果効能に大きな相違はありませんが特許権利の関係で縛られてしまい本来の後発医薬品のメリットである低価格で幅広い層に普及させるといった主旨が損なわれているのもまた問題となっています。

医薬品メーカー

先発医薬品メーカーは企業規模も非常に大きく総資産・売り上げも数百、数千億円単位といった企業体がほとんどです。背景には先発品の開発に必要な莫大な費用(コスト)が関係してきます。先発品に使用されている新成分は製薬会社が10~20年といった歳月をかけ開発・研究を重ね、また何百億円という開発費を投じて行う社運をかけたプロジェクトなのです。その為新薬開発には企業の体力が求められ企業規模は必然的に大きくなります。
一方で後発医薬品(ジェネリック医薬品)メーカーは特許切れ製品を扱う為、開発費用が低く抑えられ比較的低コストで医薬品の製造が可能です。その為企業規模は小さめの中堅・零細企業が多いです。しかしながら参入が比較的容易の後発医薬品事業は体力ない企業が製造・販売した製品が生産遅延や製造中止といったトラブルが起こるケースがあります。成分検査は厳重に行っており品質管理は問題ないのですが競争過多で淘汰される医薬品メーカーも出てきますので安定した供給を目指し後発医薬品メーカーは経営を行っていかなければならないのです。