ジェネリック薬の模造品(偽物)について

模造品の存在

ジェネリック医薬品の模造品に関しては非常に多くの媒体・メディア・医療機関で注意喚起がされています。実際に模造品(ニセモノ)の所在はどのようになっているのでしょうか。
ED先発品に関して言えば【バイアグラ】は発売当初から非常に高価に取り扱われていました。その為、海外輸入の製品のなかにはニセモノ・まがい物が多く見受けられるようになりました。高額な費用を支払ったのにもかかわらず全く効果がないといったトラブルがあり、厚生労働省や医療機関は購入をしないように呼びかけ、ニセモノは排除するように努めてきました。金銭的トラブルもありますが、より危険性がある問題としてまがい品の中に含有している医薬成分が体内にどのような影響をあたえるかが不明確な点です。
有効主成分の含有量(バイアグラであればクエン酸シルデナフィル)が規定成分量より少ない場合効果は期待できず単にまがい物をつかまされたとなりますが、多い場合強い副作用が表れることがあります。例えばバイアグラは1錠あたりの有効主成分量は上限が決まっておりクエン酸シルデナフィル100mg(日本国内処方は1錠あたり50mgまで) となりますが規定量を超えた200mg,300mg含有された製品も見つかったという報告もあります。
急激な血管拡張作用によって低血圧や貧血状態が起こるだけでなく頭痛や吐き気を発症させ意識が混濁する場合もあります。いわゆる重篤な症状を招く危険性があり医療機関でも医薬品成分(量)の特定ができない場合診断や治療が難しくなります。
またそもそも含有されている成分が異なる場合にはより危険性が高まります。実際に2009年シンガポールで起きたバイアグラにまつわる事件があります。模造品のバイアグラを服用した149人が5ヶ月間の間に低血糖症となり病院に入院してしまいました。入院した患者のうち4人ものひとが死亡して3人は昏睡状態となってしまいました。押収した模造品バイアグラの中にED(勃起不全)治療には関係のない「シブトラミン」という減量につかわれる医薬成分が含有されており、重篤な被害が起きてしまったのです。「シブトラミン」は強い食欲抑制をもたらす向精神作用もある医薬品であり、使用者の制限(肥満体質者)もされているほどの身体への負担が大きいものなのです。

加えて医薬品に含まれている添加物(コーティング剤や着色料)にも模造品は大きな影響を与えます。医薬品に使用されている添加物も厳密な検査のもとに使用されています。しかし劣悪な環境で製造される模造品の中には規定外の添加物が使用されることがあり、また本物と見分けがつかないように色をそっくりにするためプリンターインクを使用することも調査でわかりました。
身体に想像もつかない影響が出る可能性のある偽造薬品・ニセモノには十分に注意しなければいけません。

ジェネリック医薬品のニセモノ問題

先発品は高価であるがゆえにニセモノが出回り問題がおきました。ではなぜ低価格であるジェネリック医薬品の模造品・ニセモノが流通しているのでしょうか?
まず先発品は海外から国内に持ち込まれたときに税関検査を受ける可能性が高いです。検査でニセモノであるとわかった時に没収されるリスクが非常に高いからです。
その為最近では先発品のニセモノが輸入されるのは少なくなっています。
代わってジェネリック医薬品は検査対象になる可能性は先発品に比べ低く輸入しやすくなっています。その為ニセモノ製造業者は利益が少なってもジェネリック医薬品の模造品(偽物)を製造することが増えているのです。
また諸外国のなかでは医薬品の持ち込み、販売・流通が禁止されているためタイや香港では違法に露店などで海外旅行者向けなどに販売することあります。最近では人気のジェネリック医薬品は知名度も高くなり観光地で見受けられるようになり簡単に手に入るようになりました。しかし真偽のほどは不確かなので危険性は高いと言えるでしょう。