2017/07/15

ジェネリック医薬品と中国の英雄①

■癌を患った中国人男性の行動

ある中国人男性は34歳以降癌を発症し自分の命を守るために治療薬を飲み続けなければならなくなりました。しかしその為耐え難い経済的な負担を強いられてくるようにもなりました。そのような状況の中でジェネリック医薬品を扱うことに対し周りの信頼を受けていた彼はインドにある安価な医薬品を手に入れる為にインドに向かうことを考えました。それから加えて病気に悩む人の為にインドから数種類のジェネリック医薬品を持ち込みましたが当局で拘束され135日間抑留されました。しかしその後検察側が起訴をしない事を発表しました。この事件により彼は全国の主要メディアに一斉に取り上げられ一気に注目を浴びるようになりました。彼は「薬の男」と呼ばれるようになり、癌患者の中では英雄プロメテウスが天界から神々の火を盗むようだと例えられてきました。彼の影響力はすさまじく新しい境地まで達しました。有名俳優主演の映画でモデルにもなりました。これに対し人々は生命の尊さと権利に対し法律の矛盾さに疑問と議論を重ねるようになりました。ジェネリック医薬品は導入されるという事でしたが認められませんでした。それは多くの類似商品があるなかでなぜその薬が選ばれたのか患者やメディアなどとの関係性がどうなっているのか明確にされていなかったからです。さらにその医薬品はそもそもインド国内で合法なのかという事も問題となりました。当時ジェネリック医薬品はインド国内では正式に製造・生産を認められているものではありますが中国国内においてはまだ浸透しておらず疑いの目が向けられる状況でありました。メディア媒体の中国GQの特集では、男性が紹介した医薬品が薬局で販売されていない事が判明し、食品医薬品局(FDA)は関連する情報を探しながら生産ライセンスを疑うようになりました。

 ■社会が動き出す。

映画「インド薬の神(原題:神の中国医学)」製作の取材のためその中国人男性は映画の関係者(出演する有名映画俳優・製作者・その他スタッフ)のところへ南京から無錫へ向かいました。映画の取材では、いろいろな質問が上がりました。あなたが病気になった時どのような状況でどのように薬を服用していったか男性独自の方法について質問し男性は2時間以上も話しました。伝えるべき事実は深刻かつ切実な問題であり、過去二年間彼自身が経験した内容を人々に数え切らないほどの多くの話を伝えていきました。彼は34歳の時に慢性骨髄性白血病と診断され2年間の抗がん薬グリベックを服用し56万元(約920万円)もかかってしまいました。その後彼は価格が1/20にもなるインドのジェネリック医薬品に切り替えました。しかしながら彼は知人にもこれらのジェネリック医薬品を推奨しますが結果として偽造医薬品の販売と支払いにおけるクレジットカード管理の罪で逮捕されてしまいます。この事実を受け世論が動き出します。彼の状況に多くのひとが共感し、人生の深刻なる病気の災難から自ら活路を見出そうと動き出し、1002名のがん患者から署名が集まりました。アメリカ映画「ダラス・バイヤーズクラブ」が公開されたときは映画の主人公が癌、人々の偏見や米国食品医薬品局(FDA)と戦う姿を中国人男性と同じようであると言われました。その一年後検察側は彼を起訴しないことを決めました。彼が拘置所で過ごした135日間の経験はリアリティのある物語である事を証明しています。彼は患者の為、まるで危険を冒しながらも天界から火を盗むプロメテウスの様だと言いました。医療関係者はインドに工場を持つ製薬会社の協力を得るために雲南省連盟に属する雲南省の製薬会社に提携して彼を助けるべく動き始めました。

 

※本連載トピックスのその他記事は以下よりご覧ください。

ジェネリック医薬品と中国の英雄②

ジェネリック医薬品と中国の英雄③

ジェネリック医薬品と中国の英雄④

ジェネリック医薬品と中国の英雄⑤

ジェネリック医薬品と中国の英雄⑥

ジェネリック医薬品と中国の英雄⑦