2017/07/20

ジェネリック医薬品と中国の英雄③

■中国におけるインドジェネリック医薬品の普及

 中国人男性は逮捕されてしまいましたが、インドCyno社は中国メディアの報道で抗がん剤治療薬グリベックのジェネリック医薬品の代名詞となって広く普及しています。検察側は結果としては彼を起訴しないという決定を下しました。これには数多くの患者の署名が集まり21名の薬を購入した患者の証言・証明がもとになったといわれています。薬のひどい副作用もなく人体に対して健康被害も見られない事が起因します。彼の持っている決済方法はジェネリック医薬品を迅速に患者への提供ができるようになっています。患者たちは彼に感謝して利便性のある支払い方法を使用しています。中国国内の法律によりますと国家の承認を得ていないジェネリック医薬品は様々な理由により患者たちから強制的に購入をさせないようにしています。彼が築き上げた正当なインドジェネリック医薬品ではありますが数千人の患者たちが他の方面でも同じような状況に直面するであろうと言われています。

ある年彼と私(筆者)はインドに向かいました。そこでCyno社の代表Sanjay-Jainに中国雲南省に施設プロジェクトにジェネリック医薬品会社を設立するように話しました。過去このような協力体制は中国では前例がありません。

しかしながら実際にCyno社の医薬品Imacy の写真を見たアポロ薬局のマネージャー、ユヌス氏はPC上に写った会社の写真をみて「バッドカンパニー」ひどい会社だと述べこのような医薬品は見たことが無いとまでいいました。二日前私たちはこの薬局の写真を撮る準備ができてインドに到着しました。インドはまだ涼しい季節で温度が低くなっていますが昼間の気温は高く摂氏35度まで上昇し乾燥やほこりも多く降水量不足により道行く人々は高温を避けることもできずにいます。彼はインドの気候に適応するために通気性の高いインド綿のシャツに着替えました。

■インドの真実

インド・デリーの渋滞はひどくまったく耐えられない状況を言い表すことができませんでした。「インドは混乱した中に秩序がある」と彼は言っています。彼は初めてインドに来た時、路上の多くの車がバックミラーのない状態で走っていました。そのような状態でも人々は気にすることなく運転しています。その後渋滞が徐々に緩和され車が前に進んで秩序が整い始めているようで野蛮で無秩序な状態ではなくなりました。彼はすでこの国の理念と背後にある論理をほとんど理解していました。ジェネリック医薬業界も同様に規則を壊し最終的にはインドが「世界の薬局」になると考えているようです。

彼はインド・デリーの中心地コンノート広場にある全国チェーンの薬局Menlianを訪ねました。彼は微笑みながら「マネージャーはどこにいますか?」と尋ね、すると部屋の奥から管理者ユヌスはコンピューターの陰から見上げました。中国人の彼はその管理者に「私は中国にいる多くの顧客を紹介できますよ」と説明しました。中国では現在多くの中国人が日本製の化粧品や特産品を買うようにジェネリック医薬品を求めるようになっています。ユヌスの薬局には抗がん剤の約20%を中国人に販売しています。さらにより売り上げは伸びるようにユヌスは中国語のテキストを持ちながら学んでいて、中国のSNS アプリ微信(Wechat)の中には1500人もの登録があります。

GQのカメラマンは彼が薬を持った姿を撮影したいと思いました。カメラマンはユヌスに向かって言いました。「Veenatの箱を持ってください」上面には黄色と緑色のしま模様が見えナトコ社の社名の印刷が目立つ位置に写り出されています。

そのようなやり取りのなかで中国人の彼は「私は7年前からこの薬を使用しています」彼はVeenatを指して言いました。

 

※本連載トピックスのその他記事は以下よりご覧ください。

ジェネリック医薬品と中国の英雄①

ジェネリック医薬品と中国の英雄②

ジェネリック医薬品と中国の英雄④

ジェネリック医薬品と中国の英雄⑤

ジェネリック医薬品と中国の英雄⑥

ジェネリック医薬品と中国の英雄⑦