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2017/07/27

ジェネリック医薬品と中国の英雄⑥

■Cyno社の苦悩

北京にある慈善基金団体の会長は彼の病気の話を聞き、彼の治療の近況を知るべく一通のメールを送りました。しかし会長の興味は今日は彼の名前ではなく(実際に知ったのは12年後)またジェネリック医薬品購入に対する違法性の有無でもなくインドジェネリック製薬会社 Cyno社の名前そのものなのです。

会長はCyno社の名前を聞いた事もありませんでした。会長はCyno社製の抗がん剤Imacyを必要とする治療患者を探していました。しかし当時は製品の中に説明書すらなく、製品保証や中国名表記、住所も記載されていない非売品として見られてしまいました。また会長は世界ガン大会で知り合ったインド人医師にメールを書いてこの製薬会社(Cyno社)の存在を知っているかと尋ねたところ初めて聞く会社だと答えられました。慈善基金団体の答弁の中で患者たちへCyno社製の薬は服用してはいけないと説明しました。Natoco社の製品がまとめ売りされているなかで中国人の彼の宣伝を踏まえながら、もしこの2種類の薬(Natoco社製とCyno社製)を一緒に手に入れたとするならば、Cyno社製はすぐに捨ててしまいなさいと言っています。

いえいえ、そんなことはないです。インタビューの時に中国の英雄はCyno社のネガティブプロモーションを否定しました。わたしはただ必要な薬を提供・案内しているだけだと述べ、病気の人を助けたいというだけですと述べました。Cyno社がビジネスをはじめ、市場に出回るようになりましたが私の影響力は病人を助けたいと思いだけで活動していると思ってほしいとも話しています。

■ジェネリック製薬会社の実態

中国の杭州、蘇州、無錫、成都で開催された医薬プロモーションで正式に医療患者へCyno社の紹介がされました。また中国の英雄はこのプロモーションを支える存在となりました。

中国杭州で行われる医療会議を有意義なものとすべく浙江省にある中国医学病院の医師は2000元の講義出演料を出してまで招待するようになりました。

ウェブサイトdrugsupdateではインド生産のグリペックのジェネリック医薬品はNatoco社以外にも7社あるといっています。Sun社、Lupin社などインドでは10の製薬会社が名を連ねていますが価格はNatoco社とほとんど同じです。しかし英雄はCyno社だけを勧めると言っています。理由はとても簡単で、Cyno社の製品は最も良いと一言だと推薦しています。改良されたベータ結晶型を使用しており、きちんと生産許可証を取得していると述べました。他の薬の事はよくわかりませんが唯一わかっていることはNatoco社のグリペックのジェネリック医薬品は第一世代のαベータ結晶型であると述べています。

インドデリー市の南東部にオフィスがある「国境なき医師団」の女性にインドの製薬会社をどのように区別をしてくのかと尋ねたところ「それはとても難しい」という回答が返ってきました。インド政府はいくつかの医薬品を見直して製薬会社を管理しようとしています。しかし製薬会社でも医薬品の代理製造を委託しています。女性の知人のNatoco社の社員が話すには、Natoco社のグリペックのジェネリック医薬品もベータ結晶型であると話しています。

薬局のマネージャーであるユヌスは仕方がないとはなしています。何が医薬品の真贋であるか特定できないと話しています。インドの医薬品市場を管轄している機関ではレポート「インド時報」ではインド生産の医薬品の25%がニセモノであると述べ、ニセモノ市場は今後100億ドルに達するだろうとみられています。しかしながらニセモノの発見・特定は難しく、検証する権限すら持っていません。実際に偽造医薬品の製造は現実的におこなわれており、一定の有効主成分も含まれている場合もあります。その為ユヌスは購入する場合は定期的に通っている薬局で手に入れるようにと話しています。

 

※本連載トピックスのその他記事は以下よりご覧ください。

ジェネリック医薬品と中国の英雄①

ジェネリック医薬品と中国の英雄②

ジェネリック医薬品と中国の英雄③

ジェネリック医薬品と中国の英雄④

ジェネリック医薬品と中国の英雄⑤

ジェネリック医薬品と中国の英雄⑦