2017/12/06

バイアグラとステンド治療について

ソウル大学研究チームが発表

ラットを使った実験で血小板の凝集を30%も抑制することを確認

動脈壁の肥厚を防ぐ酵素(プロテインキナーゼG(PKG)の活性が増強された。

ステントの留置によって血管が損傷すると、PKGの活性が低下し、血管壁の肥厚や血小板の凝集は促進されるが、シルデナフィルはPKGの活性を強化する事実が確かめられた。

ステント留置療法は動脈硬化、狭心症のカテーテル術にてステントと呼ばれるステンレスなどの金属でできたメッシュ状(網目状)の筒(つつ)をバルーンにかぶせて、それをカテーテルの中に通っているガイドワイヤーで冠動脈の狭くなってしまった部分に通します。

その後、バルーンをふくらませてステントを広げ、バルーンはすぼめて取り除きますが、ステントは広がった状態で冠動脈の狭くなった部分に残すので、冠動脈を広げることができ、血流を正常に保つことができます。

しかし、時間経過と共にステントに徐々に血液が付着し、ステント血栓症を起こしてしまいますので、薬剤溶出ステントを使用する事で血栓が出来にくい状態にしますが効果は約1か月程度です。

現時点ではラットでの検証の為、今後人での検証が必要だが、シルデナフィルはDESに塗布する薬剤としても、ステント留置後に経口投与する薬剤としても適している可能性がある。

ステント治療の弱点である血栓や瘢痕化(血管の損傷)による再狭窄リスクがシルデナフィルを使用することで、安全かつ有効なステント治療をもたらすことが期待できる。

シルデナフィルは血管拡張を促進する作用があることから、慢性心不全、肺高血圧症(特に新生児の心室中欠損症や動脈管開存症)開心術中・術後、急性肺傷害などの適用が認められている。